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こんにちは!先輩

こんにちは!先輩

板垣明味先生
橋本医院 院長

「若い女性医師の皆さんへ」

 こんにちは!若い女性医師の皆さん。

 私は皆さんのロールモデルになるような立派な医師ではありません。昭和59年山大卒、小児科に入局し半年後に結婚。翌年長女が誕生し、産休後は大学病院の授乳所に預け、2年後に次女が誕生。夫が単身赴任し、私が外の病院に出てすぐに三女が誕生。上の2人と三女は別々の子守さんに預け、当直もしました。父が亡くなり平成3年に実家の橋本医院を継承。翌年夫が同居。末娘が6歳の時に母が他界。娘たちの手を借りて家事をこなし、仕事を続けました。開業して25年。三人娘が家を離れ8年過ぎました。

 振り返ると、ずっと行き当たりばったりでしたが、子どもを抱え仕事を続けてこられたのは、その時々に多くの人に助けられ、支えられたからです。感謝の気持ちでいっぱいです。御恩返しのつもりで、私はこれからも町医者を続けていきます。

 こんな私が若い先生方に伝えたいことは…

 結婚、出産、育児は女性の一大イベント。その時期が自分のキャリア形成に大事な時期と重なり、悩みます。年を取っても、やる気があれば勉強や技術の習得はできます。結婚も可能。でも、子どもが授かりやすい年齢は限られています。皆様の優秀な子孫を次世代に残して欲しいと、中高年になった私は思います。余計なお世話でしょうが・・・。

 ご縁があれば、迷わず進むことをお勧めします。チャンスの神様は前髪しかありません。通り過ぎてから捕まえようとしてもできませんよ。

 女性医師は真面目で、完璧主義の人が多いと思います。仕事と家庭、育児の両立は本当に大変。プレッシャーに負けて仕事を辞める人もいますが、何ともったいないことでしょう。医師養成にかかる費用と時間を考えると、とんでもない国家損失です。遊びたいのに我慢し勉強したのに、嫌な解剖実習にも動物実験にも耐えたのに、個人的にも大損害。働いたら貰えるはずの生涯所得も年金も減ってしまいます。

 完璧はいけません。仕事も家事も6割できれば及第です。満点を目指してはなりません。無理をしないことが肝心。「ま、いいか」とゆったり続ければいいのです。

 辛くて辞めたくなったら10年後を想像して下さい。大変な今の状態は永遠には続きません。子どもは成長し手がかからなくなります。度々熱を出すこともなくなります。小学生になれば友達優先。思春期を迎えたら親は邪魔者。職場の状況も変化しているはずです。試練の時も振り返れば、懐かしい思い出に変わります。

 完全に辞めると復帰に大きなエネルギーが要ります。週1回のパートでもいい。続けていて欲しい。辞めるという選択は最後まで残して下さい。

 今は子育て支援制度が充実し、仕事と育児の両立がしやすくなっています。育児休暇制度が無かった30年前、保育園も子守さんも見つからず、生後2月の乳児を抱え大学の授乳所にお願いに行きましたが、看護婦のための授乳所ですと断られました。子どもを預けないと復帰できないと総婦長さんに泣きついて、何とか入所の許可を頂きました。当直の時は母に頼みましたが、何回も来て貰えず、まとめて金、土、日、3日続けて当直することもありました。

 今は山口県医師会 男女共同参画部会の保育サポーターバンクがあります。(Y-JOY Netを見て下さい。)当直免除や時短勤務のある病院もあり、羨ましいです。大学の授乳所は定員90名のたんぽぽ保育園に生まれ変わりました。生後43日から就学までが対象。延長保育は20時迄。水曜は24時間保育が可能。病児保育あり。これならカンファレンスにも出られるし、当直もOK。気兼ねなく仕事ができる!嬉しいことです。

 でも、ちょっと待って。

 医師は働き過ぎです。特に勤務医は過労気味。当直で眠れなくても翌日の診療が待っています。寝不足で判断力の鈍った医師に診察してもらうなんて私は嫌です。自己を犠牲にしても他に尽くす、真面目で優しい医師の善意に甘んじて成り立っているこの業界はおかしいと思いませんか。男女にかかわらず、もう少しゆとりあるように改善するべきだと思います。

 女性医師が優遇されていることに気兼ねする必要はありません。でも、周りの負担が増している事にも気付いて下さい。甘えすぎないで。感謝の気持ちを忘れないで下さい。

 これから色々と大変なことでしょうが、概ね時が解決してくれます。何とかなるものです。

 無理せず、細く長く続けて下さい。

追伸

笑顔を心掛けて下さいね。笑顔は人にうつります。周りの雰囲気が良くなります。辛い時でも笑顔を作る筋肉を動かすと、ドパミンが増えて元気が出てきます。 にっこり (^^)

プロフィール

現職
橋本医院 院長
出身地
山口県周南市(旧 徳山市)
出身大学
山口大学
卒業年
1984年