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こんにちは!先輩

こんにちは!先輩

山本圭子先生
栃木県保健福祉部長

「こういう道もあると覚えておいてください」

 山口の女性医師の皆様。こんにちは。

 私は、高校・大学の同級生の福江先生からご紹介頂き、投稿させて頂くことになりました。投稿に際し、山口の女性医師キャリア支援ネットを拝見させて頂きましたが、多彩な顔ぶれに、山口大学や山口県の奥深さを再確認したところです。

 私自身は、宇部生まれの宇部育ち、現役で山口大学医学部に入学しましたので、教養の2年間以外は、ほとんどずっと宇部暮らしでした。卒業時に産婦人科医になろうと決めた際に、山口に一生居なくても良いのでは無いかと思い、九州や関西を中心に研修病院を探し、縁あって、京都大学附属病院産婦人科で2年間、岡山の倉敷中央病院で2年間、兵庫の国立姫路病院で1年間、計5年間臨床をさせて頂きました。

 未熟児で産まれたと言うことも有り、周産期医療に対する思い入れが強かったので、今でも思い出すと胸が熱くなるような思い出がたくさんあります。同時に、周産期医療の課題もいろいろ見えてきました。リスク分娩の集約化を進めるとともに、正常分娩の急変対応体制がもっと整備されないと、少なくとも、自分がこのまま産婦人科医を続けた場合に、働き続けられる体制ではないと思いました。

 そんなときに、先輩達がどんな働き方をしているのか、自分の将来像と重ね合わせながら霜仁会の会員名簿を見てみたところ、厚生労働省で働いている先輩を見つけ、公衆衛生の講義で、厚生労働省で働いている先生が、「こんな道もあると覚えておいてください」とおっしゃっておられたのを思い出しました。文句を言っていても何も変わらないし、厚生労働省で周産期医療の体制整備をどんな風に考えて進めているのか自分の目で見てみよう、と一念発起して、平成16年から厚生労働省で医系技官として働き始めました。

 行政の仕事は、産婦人科の臨床現場とは全く異なる文化・仕事で、東京にほとんど友達も居なかったこともあり、ワークライフともに慣れるまでに結構時間がかかりました。そんな中で、山口大学医学部出身の先輩が複数名厚生労働省にもいらしたことは心強かったです。

 行政医師の仕事の内容については、パンフレットがあるので、ご関心ある方は、是非ご覧頂きたいと思います。

(厚生労働省医系技官)
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/ikei/dl/ikei2017.pdf
(保健所等公衆衛生医師)
http://www.phcd.jp/02/j_ishiboshu/pdf/panf_2016.pdf

 臨床での5年間より、行政で仕事をしている期間の方が長くなりました。山口を離れて18年経ちます。そんな今、山口の良さを再確認するとともに、ご縁を大事にすること、続けることが大切だと実感しています。

 行政の仕事は直接患者さんを診る訳ではないですが、1~2年ごとに人事異動があり、新しい分野で人間関係を築き、求められている事に対応する必要があります。厚生労働省の先輩に、この状態を「遊園地みたいに、いろんなことが経験できて楽しいよ」とおっしゃった方がおられました。そんな毎日だから余計にご縁が大事だと思います。

 学生時代の公衆衛生の授業で、父親が公務員の同級生が「こういう道も良いかも」と言うのを聞いていなかったら、こういう道があると言うことも忘れていたかもしれません。また、産婦人科時代の医局長が、「行政で働く人が同門に居るということも悪いことではないし、産婦人科にはいつでも戻れるから頑張って来い」、とおっしゃってくださらなければ、厚労省に行く勇気は持てなかったかもしれません。行政の仕事の中で、先輩や後輩も含め、多くのすてきな方々と知り合い、キャリアを続ける中でネットワークを少しずつ広げていくことが出来ました。お互いに名字を変えたくなかったので、事実婚で栃木県に住んでくれる夫と知り合うことも出来ました。

 今は、業務の傍ら、公衆衛生の博士号の取得に向けて、栃木県の大学で勉強中です。これからも、ご縁を大切に、楽しく仕事を続けていきたいです。

プロフィール

現職
栃木県保健福祉部長
出身地
山口県宇部市
出身大学
山口大学
卒業年
1999年