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こんにちは!先輩

こんにちは!先輩

湧田真紀子先生
医療法人社団宇部興産中央病院眼科部長

「自分だけの道、その先へ。」

 あなたは医師としての自分にどんな未来を描いていますか?

 このページに描かれている多くの先輩方の人生譚を目にして、あなたはどんな感想を持たれたでしょう。果たして、女性医師としての人生がこれほど自由で伸びやかなものであると考えていたでしょうか。これらのエッセイは先輩方が自分の生き方をひとつひとつ切り開いてきた道を明らかにするだけでなく、女性医師の生き方がいかに多様化してきているかということを教えてくれます。

 私のことを少し書きましょう。私は宇部に生まれ宇部で育ち、山口大学を卒業して眼科に入局しました。キャリアに関して言えば、私には特別なことはあまりありません。研修医の時期に長男を出産しましたが、当時の教授の計らいで女性医師の部長がおられる関連病院に出向することができ、育児に理解のある恵まれた環境で手術を含めた研修を積むことができました。次男の出産後にかねてからの希望だった大学院に進学し、専門医も学位もこの間に頂きました。卒業後、大学に勤務しましたが臨床はやはり忙しく、育児との両立に悩んでいた時、自宅に近い関連病院への異動を医局から勧めて頂いて現在に至ります。関連病院に勤務していますが、大学と地理的に近いこともあって家事の隙間に医局へ出入りしています。珍しい症例や新しい治療の話を聞いたり、英会話のレッスンに混ざったり、海外の学会行きたさに若い先生たちと研究のネタを探ったり。仕事というよりは刺激を貰いに行くような感覚です。

 生物全般に学問的な興味はあったものの、最初から患者さんを治すという強い意志を持ってドクターの道を選んだわけではなかった私を、医師としての使命に目覚めさせ、人として育ててくれたのは沢山の患者さんたちとの温かな心の触れあいでした。また幸いなことに、どこへ行っても素晴らしい先輩方や同僚、後輩に恵まれ、仕事での経験が私の人間性を豊かに成長させる糧となってくれました。もちろん人生ですから、綺麗ごとや善いことばかりではないですし、どうしようもなく酷い出来事や辛い目に遭ったりもします。しかしそこは清濁併せ吞み、プラスもマイナスも、酸いも甘いも、全部自分の栄養にして育つくらいの太々しさがあってこそ人生楽しめるんじゃないかと、この歳になると思ったりもします。今は自分の中に蓄えたそのエッセンスを二人の息子たちにどうやって還元していこうかと、日々わくわくしながら企んでいるところです。仕事も同じで、次はどんな新しい発見や新しい技術に出会えるんだろうと思うと面白くてたまりません。常に新鮮なネタが尽きないところが医学の良いところですね。自分自身以外のことで2つも楽しみがあるなんて贅沢な人生だなあと思ってしまいます。

 時代は変容し続けており、私たちは常に変革者であらねばなりません。しかしありがたいことに、今という時代にはあなたのその挑戦を受け入れ、導き支えてくれようとする助けが、以前よりも多くあります。先輩方の冒険談が必ずしもあなたにぴったり当てはまるとは限りませんが、あなたが道を閉ざされたと思ったとき、そこを照らしてくれる光になってくれるでしょう。男女を問わず、何かを得ようとしたとき、何かを目指したとき、そこには困難がある。しかしそれは当然のことです。私たちに必要なことは先へ進もうとする覚悟なのであって、少なくとも自分にとっては、それだけの苦労を払うに相応しい無二の人生を歩んでいると私は思っています。

あなたが描く医師としての人生はどのようなものでしょうか?

それは楽しいものでしょうか? あなたはそこで輝いていますか?

想像してみてください。イメージするところから未来は始まります。

プロフィール

現職
医療法人社団宇部興産中央病院眼科部長
出身地
山口県宇部市
出身大学
山口大学
卒業年
1999年