11月20日に、藤田医科大学病院、医療の質・安全対策部　医療の質管理室室長、安田あゆ子先生をお招きして、「医療システムの変化と私の生き方」というタイトルでお話しいただきました。　安田先生は、名古屋大学医学部を卒業され、胸部外科医として研鑽を積まれた後、米国留学、厚生労働省厚生局で行政職をご経験になり、その後、名古屋大学で医療の質・安全管理部に所属され、そこから“医療の質改善”の道へ進んでこられた方です。

　お話の内容は、今、医療のかたちが、旧来のものから近代的なシステムへと急速に転換しつつあること、その質を確保するために、患者・社会のニーズに基づいた安全性、有効性、適時性、効率性、公正性を高めることが必要である根拠を話されました。次に、医療における多様性（ダイバーシティ）の意味するもの、それを受け入れることが今後の世の中を導いてくれる重要な課題であること、そして、その中で自分はどのように生きていこうとするのか、考えてほしいということでした。変化しつつある医療界の問題、自分はそれにどう対処していくのかを考えるきっかけをいただいたように思います。

　最後に、医療の質改善目的で、先生が現在勤務されている病院で取り組まれたテーマについて、その方法を具体的にお話しいただきました。そこには、トヨタ自動車の製造現場で用いられている品質管理の手法を医療現場に取り入れるという、安田先生が最初に取り組まれた手法が生かされていました。医療の現場で、部署を越えて多くの人の意識を変え、着実な成果を挙げられた結果に、安田先生の勇気と強いチャレンジ精神を感じました。

　抽象的な概念をわかりやすく話していただき、1時間余り最後までお話に聞き入ったセミナーでした。

　ご講演はDVDに記録していますので、希望される方にはキャリア支援室から貸し出しできますのでご連絡ください。