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= 復職支援例 =

復職支援例

医師の経験年数や家庭環境などによって必要な支援は異なるので、下に挙げた事例はあくまで例です。問題点に対処する時にだれかがサポートできれば復職が少しは容易になると思います。研修病院でも、働き方に関する助言を担当する人はおられると思いますが、育児・家事のレベルでは自分で解決するしかなく、そのような情報提供を行い、アドバイスできる人がいればいいと考えます。復職に対するmotivationを高めるのは、勤務先の上司や同僚の協力が必要です。

研修医の間に結婚。研修医終了直後に出産、産休・育休で6か月間離職。フルタイムで大学病院での復職(研修)希望。夫は同級生の医師。育児は保育所を利用。

[置かれた状況は?]

  • 専門領域のキャリアは新人→学習量・仕事量は膨大
  • 育児の90%、家事の70%は妻が担う。両親などの家族のサポートなし

[復職に際しての問題点は?]

  • 仕事の絶対量が多く、ノルマをこなすには、計画的、能率的な取り組みが必要
  • 育児中はこの突発的な出来事が起こり、職場を離れなければならないことも多い。保育園のほか、病児保育の受け入れ先、個人で対応してくれるサポーターが必要
  • 家事のアウトソーシングも必要になる可能性あり。

[復職形態は?]

  • 希望の専門科との話し合いにより、診療助教としての業務を行う。
  • 勤務日:4日/週:複数主治医体制により緊急呼び出しはなし。夜間当直は免除、保育園利用可能な土曜日直は月1-2回担当。
  • 育児:保育園、医師会保育サポーター

初期研修終了後入局し3年間研修。その後結婚し出産。1年間の育児休暇取得。卒後7年目。臨床経験5年間。専門トレーニング3年間。専門医取得前。両親は緊急時の子ども対応できる距離に住む。通勤可能な研修病院で復職し、専門医医取得を目指す。

[置かれた状況は?]

  • 専門領域の経験はある程度あるが、専門医未取得。これから取得意向
  • 1年間の離職によるスキルの低下に対する不安あり。
  • 診療科の若手としての業務が増加。
  • 子は保育園利用であるが、病気、緊急対応は両親が可能。

[復職に際しての問題点は?]

  • 専門医取得のために必要なプログラムをどのように取るか
  • 現職復帰前に、ウォーミングアップのトレーニングは必要か?
  • 週5日間、フルタイムで働けるか?短時間勤務の選択は?
  • 保育園と両親だけで育児のバックアップ体制は十分か?もう一人見守りを雇用する必要があるかもしれない

[復職形態は?]

  • 通勤可能な研修病院で受け入れ承認。但し、診療業務に慣れるため、1か月間は、指導医とともに外来、病棟業務を担当する。2か月目から単独診療。4日/週勤務。専門医取得のために必要な症例を受け持つため、1日/週 他病院で診療。子が3歳までは夜間当直免除。応じるが、夜間、夫の不在時は困難。あらかじめやれることとやれないことについて診療科と話し合っておく。
  • 育児:院内保育所、緊急時、保育所退所後のチャイルドシッター先を決めておく。
  • 週1日 家事代行サービス利用。

他県の大学を卒業。卒業8年間はフルタイム勤務し、専門医取得後。夫が山口県に転勤したため、一旦離職。その後2回の妊娠・出産・育児のため3年間離職。その後、週2回の検査だけのパート医師として3年間働いたが復職希望。

[置かれた状況は?]

  • 内科専門医は取得したが、さらに指導医を目指している。
  • 離職期間3年、パート期間3年と医療現場から長期に離れていたので、緊急対応など慣れる時間が必要。
  • 知人、家族など、子の緊急対応できる人がいない。

[復職に際しての問題点は?]

  • 専門医は取得しているが、離職期間が長いため、緊急対応など1人で行うのは難しい。6か月程度のウォーミングアップが必要か
  • 指導医資格取得のために必要な診療ができる病院が遠い
  • 子の緊急対応可能な個人のサポーターの雇用が必要となる。

[復職形態は?]

  • 受け入れ病院の通勤距離が長いため、通勤時間を短縮し、待機は免除、当直は行うことになった。
  • 育児:保育園、学校以外に子どもを見て家事もできる個人のチャイルドシッターを雇用。夫と協力して対応する

卒業後、初期研修を修了後、夫の海外赴任に同行。2年後に帰国。1歳になる子がいるが、後期研修から開始希望。当直等の免除をする病院は近くにない。夫は比較的時間の融通がつく大学研究者。サポートしてくれる家族は近くにいない。保育サポーターもいない。

[置かれた状況は?]

  • 診療経験が浅い。
  • 短時間勤務や当直免除などなく、他の男性医師と同様の勤務を求められる。
  • 夫以外に育児等のサポートできる家族がいない。
  • 夫は時間的に融通しやすい仕事で、女性医師が当直でも子の世話はできる。

[復職に際しての問題点は?]

  • 診療経験が浅いため、初歩的段階から研修が必要か。
  • 当直の時、1歳の子をどうするか。
  • 保育園以外は子を預ける施設、人はない。

[復職形態は?]

  • 研修病院の専門科で後期研修。但し、3か月間は、指導医のシュライバーや初期研修医と同様の注射当番なども担当。当直、待機すべて行う。
  • 育児:保育園の送迎、当直時の世話などすべて夫が担当。緊急時のために、ファミリーサポートセンターを通して保育支援者を確保。