第七回山口大学医学部附属病院キャリアアップセミナー「世界に出かけて見えたもの・考えたこと」を開催しました
2017年11月02日
10月5日(木曜日)16:30より、山口大学医学部器官病態内科学の内海仁志先生と産科婦人科の李 理華先生に、それぞれの海外でのご経験をお話しいただきました。
内海先生は、平成14年に山口大学を卒業され、その後大学院で医工学博士を取得された循環器内科がご専門の方です。平成25年から3年間、米国でも規模の大きな研究施設であるカリフォルニア大学デービス校で3年間、ポスドクとして研究に従事され、昨年帰国されたばかりです。 研究所の仕組みや研究の進め方、ラボの日常などに加え、プライベートの生活も楽しく紹介していただきました。
李先生は、平成17年に山口大学を卒業され、2年間の研修医終了後産科婦人科に入局、大学院で医学博士取得、「国境なき医師団」の一員として南スーダンで平成27年12月~28年4月、ナイジェリアで平成29年1月~3月活動してこられた方です。国境なき医師団に応募された経緯、難民キャンプでの産婦人科医師としてのご経験等を動画も駆使して紹介していただきました。内戦に明け暮れる地域での医療は私たちが日頃行っている医療とは全く次元の異なるものであること、環境さえ異なれば死なずにすむであろう妊婦や新生児・乳児の多さ、女性であるが故に受ける過酷な出来事、その中でもたくましく生きる人々、それを援助している国内外の人たちの生活の一端を知ることができました。「国境なき医師団」とは、医師や看護師、その他の医療従事者はもちろん、それ以外の現地での医療に携わるすべての職種の人たちで構成される団体だということを聞き、これまで“医師”の組織だと思っていたのは全くの勘違いだとわかりました。
海外旅行が特別のものではなくなっている今日ですが、旅行客ではなく働き手の一人として過ごす場合は、それまでの経歴・肩書を一度リセットして、一人の日本人としての自分に立ち返らなければならない時を必ず経験します。それを乗り越えてこられたお二人のお話は、参加者を刺激し、世界の中の日本、その日本で生きる自分について改めて考える機会をいただきました。