Interview
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「医学生」だけどそもそも「大学生」
「医学生」だけどそもそも「大学生」
初めまして。山口大学医学部医学科3年の長田成未と申します。山口県のやや東部にある周南市というところの出身です。将来は地元に戻り平屋一軒家を建て、猫と慎ましくも幸せな暮らしをしたいです。
この度「わたしは医学生」を執筆する機会を設けていただいたのにも関わらず、大した話題もなく大変申し訳なく思います。稚拙な文章になると思いますが、誠心誠意努めます。
何故医師を志したかということですが、陳腐で面白みもないので割愛させていただきます。代わりに「わたしは医学生」という趣旨がありますので志望理由を記さない代わりにどのような医師になりたいかを述べます。加えて学生生活についても述べます。
なりたい医師とは、一言でいえば人間味のある医師です。人間味のある、という言葉の定義は「人の心の良さ」、「人間らしく深く多様な感情を持つと知れるさま」、「他人に対する親切の感情が強いさま」、という風に辞書を引いたら出てきますが、なぜこのような人間になりたいかと言えば、私がこのような人間に診てもらいたいからです。
無愛想で淡々としてる人よりも、笑顔で感情豊かな人の方が相手に与える印象が良いというのは身をもって体感してますし、何となく後者の方が打ち解けられて何でも言えるような気がします。
人対人の現場だと思うので、病気をみることはもちろんのこと、そもそも人をみることも大切だと思っています。人情の溢れるとっつきやすい医師になれるように、いろいろな経験を積んで豊かな心を目指したいです。
理想の医師像が単純であったため話を全く広げることができず大変申し訳ないですが、個人的にはこの理想像というのはむしろシンプルで分かりやすく、綺麗事でもないので非常に気に入ってます。
次は学生生活についてです。前述の、いろいろな経験を積むのがまさしく医学生である今だと思います。この学部というのは非常に専門性が高く所謂職業訓練校だと揶揄されがちですが、我々は医学生である前に大学生です。
そもそも大学生の期間というのは名実共に大人になろうとする、そしてその期間の密度というのは今後の人生を決めてしまいそうなほどの重要なものではないかと感じています。実のところは分からないですが。社会のことはまだ知らないけど、どちらにせよこの一度きりのモラトリアムを無下に過ごすのはあまりにもナンセンスです。
そんな私の大学生活はアルバイト・部活・勉強に追われるというもので、目が回りそうですが、空いた時間は友達と遊んだり趣味に費やしたりとそれなりに充実しています。あとは旅行が解禁になったらなお良しです。
今は友達もできて楽しいと思えるような日々を送っていますが、一年生の時は全く学校が楽しくなくて、入学してすぐに入るところ間違えたな、今すぐ辞めたいとずっと思っていました。本当に楽しくて楽しくて仕方がなかった高校時代に戻りたいと何度思ったことでしょうか。当然塞ぎ込んでしまい色々と休みがちで孤立しがちでした。
やや鬱気味な日々が変わったのは二年生になってからです。忙しくなりセンチメンタルになる時間すら取れなくて、代わりに勉強を一緒にする友人やテスト後に遊んだりする友人が増えていって苦楽を共にしていくうちに、以前のように生きてて楽しいと思えるようになりました。
活発だと言われる私ですが、そういうこともあって元気でいられるのも周囲のおかげなのだろうと常々考えています。世知辛い世の中で、そもそも友人がいることや、一緒に色々な時間を共有できたり励まされたり助けてもらったりすることがどんなに有難くて幸せなことであるかが分かりました。
振り返るといつでも私は友人に恵まれてきました。確かに一番印象にあるのは高校時代ですが、今身の回りにいるのは彼ら彼女らとはまた違った素晴らしさを持つ、誇れる友人たちです。どの時代が良かったかと聞かれれば、きっと少し前の時代を思い出すのでしょうが、結局はほとんどの時代を差がないほど楽しく幸せに全力で生きてるんだろうと思います。そう過ごしていくのは自分の気持ち次第ということは一昨年に嫌なほど実感したので、多分それは間違いないです。そういうことで、世界で一番幸せに生きてるというくらいの非常に強い気持ちをもって、太く長く生きたいです。
ちなみにこれからの大学生活ですが、友人たちと楽しんだり自分の時間を充実させる一方で、新型コロナが終息した際にはいろんな場所に行って、いろんなものを食べてみたり見てみたり、五感をフル活用させてたくさん感動したいです。大学一年生の夏の、前期のアルバイト代を全部つぎ込んだ東欧旅行は感動の連続でした。今度はバルカン半島に行きたく、読み物をしたり計画も立ててます。資金の調達としてアルバイトに精を出すのはもちろんのことなのですが、アルバイトをしすぎて成績不良なんていう学生にとって本末転倒な忌々しき事態は避けて、毎日楽しく過ごせたら良いなと思います。
長くなりましたがこれにて終わりたいと思います。医学生というより大学生、はたまた一人の人間としてからの視点が強かったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。