Interview
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医師を目指す
医師を目指す
皆さま初めまして。山口大学医学部医学科2年の吉村美賀子と申します。この度は「わたしは医学生」の執筆という貴重な機会をいただき、ありがとうございます。拙い文章ではありますが、お付き合いいだければ幸いです。
私が医師を目指したきっかけは、三歳のときに病気で入院したことでした。幼かったこともあり、入院中のことはあまり覚えていません。それでも、同じ病室のお姉さんと一緒に遊んだことや、看護師さんに手を引かれて歩いた廊下、先生の優しい人柄などは、今も心に残っています。病気は先生方の治療のおかげで完治し、数週間で退院しましたが、その後も経過観察のため、18歳まで病院に通いました。病院に行くたびに、目の前で医療従事者の方々の仕事を目にしていたため、医療関係の仕事には自然と興味を抱きました。また、その病気の原因がまだ解明されていないと知り、自分でも勉強したいと思うようになりました。
中学生のころから医師、特に小児科医に興味を持ち始め、高校生のときに神奈川県立こども医療センターを見学したことで、その思いはより強くなりました。センターにはたくさんの患者さんが入院していました。NICUでは小さな赤ちゃんが懸命に生きようとしている姿と、その命を支える医療従事者の方々の姿を目にしました。それまでは、漠然と「小児科医になりたい」と思っていましたが、見学を通して、どうして医師になるのか、将来自分に何ができるのか、再度考え直すようになりました。
大学受験を終えて山口大学医学部に入学してからは、大変なことも多くありました。入学と前後して、国内では新型コロナウイルスの感染が拡大し、入学式や新入生歓迎会は中止、授業は全てオンラインとなりました。初めての一人暮らしの中、なかなか友達ができない不安を抱え、大学に入学したという実感もなく、辛い気持ちで過ごした時期もありました。しかし、周囲の方々の支えもあり、友達もだんだんと増え、山口での生活にも慣れてゆきました。総代に立候補したり、図書館の学生協働に参加したりと、新しいことにも挑戦するようになりました。
二年生になり小串キャンパスに来てからは、お陰様で、通常通りに大学に通うことができ、対面で授業や実習が受けられることが、何よりも嬉しかったです。授業でも基礎医学を学びはじめ、医学部に入学したということをはっきり感じるようになりました。一方、医学の勉強は想像よりもはるかに大変で、医師を目指すことの厳しさを改めて痛感しました。それでも、先生方にたくさん質問したり、友達と助け合って勉強したりする中で、自分の学びたいことを学べることの幸せに気づきました。改めて、医学部に入ってよかったと感じます。また、剣道部での部活動や総代の役目、家庭教師の仕事などを通して、多くのことを学ばせていただいております。
現在は二年生の山場と言われる10月、11月の試験に向けて、日々勉強しているところです。学校の勉強だけでなく、課外活動や暮らしのことなどに追われ忙しい日々ですが、何とか乗り越えていきたいと思います。また、最近では三年次の自己開発コースに向けて、様々な研究室に訪問してお話を伺っています。先生方や先輩方のお姿を拝見するにつれ、自分の将来について深く考えることが増えました。ずっと小児科医になりたいと思ってきましたが、一方で、基礎研究にもとても興味を持ち始めました。また、いつか留学してみたいという気持ちや、救急医療の勉強をしてみたいという気持ちもあります。
将来の進路については、今後進級するにつれて、どんどん考えが変わっていくと思います。だからこそ、今勉強していること、そして興味のあることを大切にして、今後の学生生活を精一杯過ごしていきたいと思います。