Medical Student

= わたしは医学生 =

Interview

羽藤 静さん 山口大学 医学部医学科2年

Interview

羽藤 静さん 山口大学 医学部医学科2年

山大生ブランド”を実感

山大生ブランド”を実感

 はじめまして、山口大学医学部医学科2年の羽藤静と申します。このような機会を頂きありがとうございます。私は学士編入生で、大学卒業後11年間、情報通信企業で働いていました。一般生と年齢も経歴もだいぶ異なりますが、医師を目指したきっかけ、学生生活について書かせていただきます。

【医師をめざしたきっかけ】

 2つのエピソードをご紹介させて頂きます。

 1つ目は、子供の頃に読んだ本についてです。子供の頃は読書が好きで、私に影響を与えた本は、小学生のときに読んだ「シーラという子」というノンフィクション小説です。この小説は、問題を抱えた子どもたちが通う特別支援学級の話です。自分自身もまだ子供でしたが、小説の中で成長していく子どもたちの物語に感動し、私もいつか人を助けるようなことをしたいと思いました。振り返ると、この小説こそが、私が医師になろうと決めた根幹となっています。今でもその本は大事に持っていて、何回も読み返しています。

 2つ目は、社会人で取り組んだことについてです。社会人では、情報通信サービスを守る仕事、新しいサービスを考える仕事、そして作る仕事など、色々なことに挑戦しました。その中で幸運にも、自分の興味がある分野において、新しい取り組みをしてみようという機会を頂きました。その中で、以前から関心があった障害者雇用支援の促進をテーマに取り組みました。自分で定めたテーマなので非常に楽しく仕事をさせて頂いていましたが、一方で、もどかしい思いもしました。それは、障害者の方が通う学校、自治体、障害者向け器具のメーカなど、様々な立場の方とお会いする中で、身体障害者に比べて精神障害者の雇用は課題が多いことに気づいたからです。この経験をきっかけに、「やっぱり私は精神的に問題を抱えた人を支えることがしたい。それが私の生きがいなのではないか。」と考え、精神科・小児精神科を目指し、医学部編入を決意しました。

【学生生活】

 今年の4月に山口大学に編入し二度目の大学生になってから、すでに7ヶ月が経ちました。先輩や同級生とも仲良くなり、楽しく毎日をすごしています。その中でも特に、勉強と学外での活動についてご紹介いたします。

 勉強に関しては、恵まれた環境にいることを日々感じています。言うまでもなく、授業や実習をしてくださる先生はその分野の専門家です。編入試験の勉強をしていたときは、分からないことがあっても聞ける人がおらず苦労した経験も相まって、今はプロフェッショナルな先生から教えて頂ける機会が沢山あることを贅沢に感じています。授業の後やメールなどで先生に質問すると、とても丁寧に教えてくださり、精神科・小児精神科を目指してはいますが、他の分野にも興味が出てきます。勉強がしんどいなと思うこともありますが、将来、医師として働く自分を想像して、一つ一つをしっかりと吸収していこうとしています。

 学外においては、 “山大生ブランド“を実感しております。「私は山大生です」というと、いろんな人から親切にして頂けます。例えば先日は、飲食店で「山大生です」というと、お店の方だけでなく、他のお客さんからも親しく接して頂き、楽しい時間を過ごしました。また、地域のイベントで出会う方々とも親しくなることができ、最近では、サンバ(ブラジルのダンス)教室の参加や農園のお手伝いをして楽しんでいます。さらに、発達障害の子供が通う保育園でボランティアをさせて頂きたいと思い、最初に保育園に連絡させて頂いた際も、山大生であることを伝えると話が非常にスムーズでした。

 このように、山大生であることの恩恵は挙げればきりがありません。これは先輩方が地域の方々と信頼関係を作り、長い時間をかけて築き上げてきた“山大生ブランド”だと思っています。そのブランドを傷つけることなく、私も学外の方からも信頼されるような学生として行動し、いつか恩返しができるようになろうと思います。