Medical Student

= わたしは医学生 =

Interview

祐徳美稀子さん 山口大学 医学部医学科2年

Interview

祐徳美稀子さん 山口大学 医学部医学科2年

医学生としての目標

医学生としての目標

 皆様、こんにちは。山口大学医学部医学科2年生の、祐徳美稀子と申します。出身は福岡県で、部活は空手部に所属しております。あとで述べますがこのほかにも、様々なサークル活動に参加しており、最近居酒屋でのアルバイトも始めました。

 私は良く、友達から、「とてもたくさんの活動に参加している」と指摘されることがあります。参加し始めた順に述べますと、国際医療勉強会、家庭医療勉強会、ぬいぐるみ病院、山口大学医学部かるたサークル、映画研究会(最後からの2つは、6月の全体会で自治会公認予定!)など。この中には、最近になってほとんど活動に参加できていないものもありますが、興味のある情報が伝わってきたときなどは、自分なりに調べてみたりするなどのアプローチを心掛けています。

 さて、わたしは大学生になる前、中学生や高校生の頃、自分の趣味といえるようなものをほとんど持っていなかったことをお話したいと思います。もっと幼いころは、自分のぬいぐるみをモデルにして作った、仮想のキャラクターを登場させた絵本を書くことが大好きでした。また、記憶力は(小学校1,2年生当時)良いほうだといわれており、百人一首を意味も分からず百首全部暗記するなど、全力で取り組めることがあったように思います。また、幼いころより山や海などの自然の中で遊ぶことが幸せでした。ところが、中学生、高校生と学年が上がるにつれて、まじめに取り組む対象は受験勉強へとシフトしました。理由はもちろん、医師になることを決め、医学部を目指そうとしたからです。印象的だったのは、受験勉強に取り組むことが、全力で、というよりまじめに、という感覚だったことです。

 山口大学医学部に合格が決まり、私はこれを機に、自分をもっと広げる機会をできる限り逃さないようにしよう、と心に決めていました。それにはまず、様々な人とかかわることが何よりも大事だと考え、最初の1年間は、興味をひかれたことにほぼすべて首を突っ込みました。おかげで1週間の予定がかなりぎっしり詰まるなどしましたが、なんにでも全力投球してきたという自信になりましたし、充実した日々を過ごすことができました。特に、私が知って驚いた感覚は、全く違う方面でもそれぞれの方面の人たちと話をすることで、いつか共通することを見出せる、もしくは次のステップにつながる何かを見出せる、ということです。

 ところで私は今、医学生としてあと5年弱を過ごす中で、可能なら携われたら、と思うことが2つあります。1つ目は、終末期医療に関わること。特に、がんの終末期患者とその家族に、手術などの直接の治療だけではなく、その気持ちに寄り添い何でも相談してもらえるような、あたたかい心のケアを提供できるようになること。

 私の祖父は肺がんで亡くなりました。幼い当時、身内をなくしたという感覚はほとんどなく、母が声も出さずに涙を呑んで、もう目を開けなくなった祖父の頭を静かに撫でさすっていたことだけを記憶しています。あとで聞けば、祖父にも不安な気持ちを吐露した時期がそれはたくさんあったらしい。母の普段の笑い話からは、威厳のある頑固おやじそのもの、といった印象しかもてないような祖父です。しかし、自分の死に直面することは誰でも不安であり、医療ドラマであるような完全な美しい関係は不可能かもしれないにしても、そういった患者に対して誠意を尽くして寄り添うことが、大切だと思うのです。これは、サークルで知り合った友人と、死に向き合う人とのかかわりについて話していた時に、あらためて実感しました。また将来、日本人の3分の1はがんで亡くなるといわれている現代に、きっと多く求められるようになる役割でもあると考えています。

 もう一つは、グローバルな視点を取り入れたへき地医療に携わること。私は前述の家庭医療勉強会の活動の一環として、3月に山口県萩市の離島、見島に実習に行ってきました。見島実習への参加のきっかけは、医療を含めた離島の実態を自分の目で見たかったこと、そして見島が自然豊かであることでした。そこで目にして思ったことは、離島医療でも工夫の仕様がある、ということです。そして、私は海外の離島医療がどのような工夫のもと行われているかに興味を持ちました。3年次の自己開発コースにおいて、へき地医療というテーマのもと海外留学できたら、と考えたりもしています。

 この2つの目標は、今の私にはまったく違う方向を向いた内容に思えます。一方はベッドの患者さんのそばに寄り添い、もう一方は海外に飛び出そうとしているのですから。でも、2つとも私が、様々な活動を通していろいろな人とかかわる中で、興味をもって、深めていきたいと考えたことです。そしていろんなステップを踏んで、いつか将来、私の人生の中で一つの道として繋がってくれるのではないか、などと考えてみたりしています。山口大学で過ごす残りの時間の中で、今まで得たつながりに深く感謝しつつ、医学生としてのこの仮説を確かめてみることが、私の今後の目標です。