Interview
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進路選択について
進路選択について
こんにちは。医学科5年の森晴香と申します。普段の私はこのような場でお話をするような立派な人間ではないのですが、せっかくの貴重な機会ですので、現在の私の思いについて書かせていただきます。
中高時代の悩みは「やりたいことが見つからない」でした。好奇心はある方ですが、とにかく飽きっぽい性格で、これまでに特定の将来の夢を持つことがありませんでした。私の父はゴルフのレッスンプロを職業としているのですが、自身がトーナメントプロになる夢が叶わなかったこともあるのか、私と兄にはとにかく堅実な職業についてほしいと言っていました。また父のお客 (生徒) さんには会社経営者や医師、弁護士といったいわゆるお金持ちからお金がないのにどうしてもゴルフを続けたくて水&ポテトチップス生活を送るような猛者までバラエティに富んでいるので、生きていく上でのお金の大切さについては嫌というほど言い聞かされてきました。そのような家庭環境で育ち、幸か不幸か学校の成績が良かったことや高校の同級生に医学部を目指す人が多かったこともあり、ただただ何となく医学部を目指すことになりました (本当に受験ギリギリまで悩みましたが…)。入試の面接で志望動機を何と答えたか覚えてもいませんが、おそらくとってつけたような回答だったと思います。
医学部に入学してからは勉強・部活・バイトに追われる生活でしたが、医師という明確なゴールを目指して決められた課題をクリアしていくことは、進路について悩みに悩んだ自分にとっては解放的な部分もありました (もちろんテスト三昧の生活には戻りたくありません!絶対に!)。そしてカリキュラムに従って特に何も考えずに過ごしていると、気づけばポリクリが始まっていました。ポリクリでは2週間ごとにすべての診療科をローテーションしていくのですが、どこに行っても最初に聞かれることは名前・出身地・出身高校・部活・希望診療科です。初めの4つは答えられるのですが、困ったのは最後の希望診療科でした。「まだ決まっていません」と答えると「内科系か外科系は?医学部入るときは何目指してたの?」と聞かれたり、適当に「内科系です」と答えると「消化器内科?循環器内科?etc…」と聞かれたりで、再び私の悩みに“進路”というものが戻ってきました。ですが、とある診療科を回ったときに「森さんはまだまだフラットな状態なんだね~でもきっとこれだ!ってものに出会えると思うから、それを大事にしたらいいよ!」と先生にアドバイスをいただき、その言葉は私のポリクリのモチベーションとなりました。最近になって、ようやくCOVID-19のために中止していた実習が再開し、実習ができることをありがたく感じています。どの診療科の先生も働く姿はかっこよく、またお忙しい中、学生への指導に時間を割いて診療科の魅力を伝えてくださり、とても有意義な日々を送ることができています。まだ1つの領域に絞り込めてはいませんが、少しずつ興味のある分野も見えてきて、これからのクリクラ・研修医生活を通して決めていきたいと思っています。現在指導していただいている先生から「女性はどうしても医師として成長していく時期と結婚・出産といったライフイベントが重なってしまうし、これはパートナーやパートナーの家族も関係することだから自分の意思だけではどうにもならないことがある。でもすべてで満点を取ろうとなんてしなくていいから、せっかくここまで頑張ってきた分医師を続けてほしい」という言葉をかけていただきました。きっと医師になってからも選択に迫られ、悩むことがたくさんあるのだと思います。私は医学部に来たことは後悔していませんが、高校時代に自分で決めることを放棄してしまったことは少し反省しているので、これからの人生の選択はじっくり悩んで自分で決めるということを誓いたいと思います。
拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。