はじめまして。私は医学科５年の白石ゆりと申します。今回は勿体なくもこのような貴重な機会を頂きましたので、私の今までの経験や現在の思いについて書かせていただきます。

　私は幼い頃、祖父母の病気をきっかけに医師を目指したいと思うようになりました。目が見えなかった祖母が見えるようになったり、心臓の手術を受けた祖父が元気になったりした姿を見て、「お医者さんはすごいなぁ。」と思ったのを覚えています。両親が医療従事者ということもあってか、医師は身近な職業として感じられ、また人の命を救うというかっこいい職業に憧れを感じました。

　将来医師を目指したいという思いがより強まったのは、中学生のときです。私は生来健康でありましたが、中学１年生の時に病気になり、痛みと痒みで眠れない日々を過ごしていました。「もう限界…。」と思いかけた頃、両親が見つけてくれた栃木県の病院を受診し、そこでの先生との出会いが私の人生を大きく変えました。治療をしていただいたことはもちろんですが、先生の患者に寄り添う姿勢に強く心を打たれたことを覚えています。また初めて手かざしというものを受けたり、神様のことを教えて頂いたりもしました。先生は私が鹿児島に帰ってからも電話やメールで相談にのって下さり、お忙しい中でもいつも気にかけてくださいました。人本来の治癒力を大切にし、霊・心・体に亘るサポートを心掛けていらっしゃる先生のおかげで、病院受診できないときでも心細さを感じることなく過ごすことができました。

　病気の間は辛い事もありましたが、それでも諦めずに乗り越えようと思えたのは多くの方々のおかげです。いつもそばにいてくれた家族や主治医の先生の存在がなければ今の私はありません。私を支えて下さったすべての方々に心から感謝しています。

　私はこの経験を通して多くのことを学びました。まず、病気になって健康の大切さを実感しました。「健康は失って初めてそのありがたさがわかる」といいますが、まさにその通りで、それまでの私は元気でいるのが当たり前だと思っていました。自分の身の回りのことができること、寝られること、学校に行けることがどれほどありがたいことかもわかりました。「病は氣から」という言葉があるように、想念（心の奥の思い）が大事で、思いを切り替え前向きに考えることが大切だということも身をもって知りました。そして何よりそばで支えてくれる人のありがたさを実感しました。どんな自分でも受け止めてくれる人、信頼のできる家族はかけがえのない存在です。今まで支えていただいた分、今度は他人を支えられる人になりたいです。他にも病気を経験して学んだことはたくさんありますが、どれも自分自身の糧になっていますし、これからの人生においても大きな支えになると確信しています。良いことも辛い事も全てが自分も磨くための砥石で、神様から贈られたプレゼントだと捉えています。

　今、コロナウイルスによってさまざまな影響が出ており、ニュースでも毎日取り上げられています。実際に家族が入院してもお見舞いに行けなかったり、最期まで会えなかったりという状況を耳にし、悲しい気持ちになることもあります。新しい生活様式を模索していく今、全ての人が命を守られ安らげる世になってほしいと願ってやみません。

　大学では最近、制限がある中でも病院実習が再開され、ありがたく思っています。この状況がいつまで続くかわかりませんが、医師になるという目標に向かって一日一日を大切に過ごしていきたいと思っています。そして、すべてのことに感謝できる人、何事にも愛と真を尽くすことのできる人になれるよう努力することを誓います。

　拙い文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。